思い出 その2

 去年の9月に、マタニティーコンサートの依頼を受けました。
お客さんは妊婦さんとそのご家族。いつもは30人ぐらいだそうですが、その日は50人からの方がいらしてくださいました。
 年2回行っているコンサートで、演奏の内容は演奏者に任されています。私は今回で4回目の出演でした。(第一回、第9回、第10回、第15回)今回で15回ということは、8年間続けているのです。主宰されている方々のご尽力は大変なものだと思います。
 私は今回も子守歌をプログラムにチョイスしました。下手なトークを交えながらのコンサートスタイルなのです。さて、やっとここから本題に入ります。その時、思い出して話したことなのですが、子守歌にまつわる思い出です。
 母が歌ってくれた子守歌は、いつもなぜか「青い目のお人形」でした。私は、「〜日本の港に着いたとき〜いっぱい涙を浮かべてた〜」のところがくると、必ずヒクヒク泣き出したのです。お陰で私の睡眠の導入は、いつも悲しい気持ちだったのです。小さいながらに、青い目のお人形が、大勢行き交う人の中で、ポツリと立って涙を流している場面を思い浮かべていたのです。そして、そんな私も母になり、やはり子供たちには子守歌を聴かせました。次男の反応は、私と同様で、江戸子守歌を歌うといつもワンワン泣き出しました。しゃべれるようになってから聞いてみると「そのうた、かなしい・・」とワンワン泣きながら言っていました。彼の寝入りも残念なものにしてしまいました。子守歌は選曲が大切です。