裏の地蔵さん

私の妹が生まれてまもなく、何日も夜泣きが続いたそうです。
両親が困り果てていたとき、昔から住んでいる隣のおじいさんから
「そういえば、この家の裏におじぞうさんがあった。」
という話を聞きつけました。
それで、ある霊媒師さんにみていただいたところ、
「夜泣き地蔵さんがあった。
前に住んでいた人がお姿だけ持っていったが、魂はまだ残っている。
浜へいって、顔と身体になる石を探してきておまつりしなさい。
そうすると、夜泣きも治るでしょう。」
ということで、母が探してきた石が今のお地蔵さんのお姿になっているのです。
父は疑いながらも、母がすることを静観していたようです。
おまつりしたその夜から妹の夜泣きはピタッと無くなったそうです。
無神論者の父もそれにはたいそう驚いたようです。
それから50年、元々信心深い母は、お花とお水を供えてお地蔵さんを大切にしています。
4月24日のお地蔵さんの日には、どんぶり一杯のお水を供えて、近所の子供たちにお菓子をくばっています。


おまつりしたその日、たまたま妹の夜泣きが無くなっただけかもしれませんが、その偶然が不思議といえば不思議です。